生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

運動をイメージすることで成績UP

運動…動作…日常生活は、

ほとんど無意識的に行われていることが多いです。

いわゆるボディスキーマ

 ボディスキーマについては過去の記事をご覧ください。⇩

 

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 なるほど!

無意識で行っていることは分かりました。

けど、どのようにして無意識で動作をとっているのでしょうか?

 

頭の中をみてみましょう。(下のスライドをご参照下さい)

 

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頭の家には脳(大脳)があります。

いわゆる脳みそです。

脳みそには”しわ”があります。

その”しわ”には境界があります。

 

頭の前の方には”前頭葉

頭の外側には”側頭葉”

頭の後ろには”後頭葉

頭のてっぺんには”頭頂葉

この4つに分かれます。

 

各しわには役割があり、それぞれ違います。

前頭葉は運動、運動計画、情動など

側頭葉は聴覚、平衡など

後頭葉は視覚など

 

で、

頭頂葉は?

前頭葉、側頭葉、後頭葉からのばらばらの情報を統合します!

全体感を一体にします

 

だけども、

意味で認識することには無関心であり、

視覚的、聴覚的に覚えます

 

要は、

視覚的、聴覚的に覚えるという事は、

見たり、聞いたりするだけで、

なんとなく感覚的に覚えてしまうということです

 

このなんとなくを

繰り返し、ルーチン化にすると、

感覚的に覚えます

 

これは人によって速い、遅いはありますが、

感覚的に覚えているという事は、

身体で覚えるということです

 

運動に関して言えば、

身体が覚えるということは、

無意識的に

動ける身体になるということです!

 

覚えよう、覚えよう

動こう、動こうと

意味を理解しようと考え込むのではなく、

 なんとなくで、繰り返して練習したほうが

様々な情報を統合させる機会が増え

頭頂葉で記憶されるようになるわけです

 

運動の天才は感覚の統合が優れていると言われています!

 

また、運動の成績を上げるためには、

とにかく、動くことは大事(オンライン)ですが、

イメージ(オフライン)することも大事です。

 

サッカーを頭の中で、考えてみると、

あそこは左から曲がろう

次はあそこにパスをだそう

だしたら、あそこに走ろう

ゴール前に行くと、センタリングがくるから、

頭で合わせよう…

 

このようにイメージをオフラインで行う回数を増やすことも大切です

同じようにオフラインでも頭頂葉へ働きかけるのです

 

イメージをすることで、

運動計画や固有感覚のマップを使うので、

運動の成績…つまりパフォーマンスは上りやすくなります

 

運動の場合は、相手より先に動き出していないといけない場面が多く、

考えて動いているようでは、通用しないことが多いです

先手をいくためには、

意味・状況を理解してから動くのではなく、

無意識的に動ける身体にしていかなければいけません

 

そのためには、

オンライン、オフラインで頭頂葉へ働きかけることを増やしていくべきです!

 

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最後に、

理学療法士の臨床でも、頭頂葉へ働きかけるアプローチをしてみるべきだと思います。

行っていますか?

 

起き上がりの練習前に、

患者さんに対し、

まずは起き方を強制するのではなく、

まずは、オフラインでイメージをさせてみてください。

 

”どうやって起きようか想像してみてください”

”右側へ起きますか?”

”どういう風に頭は動かしますか”

”どういう風に右手は動かしましょうか”…

 

歩行の練習前に、

”まず、どっちの足から出しますか”

”足はどのくらい出しましょうか”

”手はどのくらい振りますか”

”猫背ですか、背筋が伸びてますか”…

 

まずは自分の動く様をイメージさせるべきです。

 

本来の患者さんの動きを知っているのは患者さん自身です

本来の動きも知らない理学療法士が強制的に良い歩行、良い起き上がり方…

とか指導していること自体が強制でしかなく、

患者さん自身には違和感でしかありません

 

まずは患者さん自身の動き、動きやすさを見てから

物事は進めるべきです

 

そう思いませんか?

 

今回の記事を書くにあたり、大変参考になった著書です。

一度、読んでみて下さい。

考え方が変わりますよ。

ミラーニューロンを理学療法へ活用しよう

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皆様、上のスライドのように

相手のあくびを見ていたら、自分もしてしまったことありませんか?

 

ほとんどの方が”ある”と答えると思います。

 

これはミラーニューロンが働くからです

相手を自分に移してしまう、置き換えてしまうニューロンです

 

つまり、相手のことを、よく見ることで

自分に置き換えることができるのです

 

だから、

スポーツでいうのならば、

できる人のプレーをみることは脳を活性化することになりますし、

勉強でいうのならば、

できる人の勉強のやり方をみることでも脳の活性化ができます

 

一番、ミラーニューロンが働いているいるな…と感じる場面は、

子供です

子供は親の事をしっかりと映し出してくれます

親がやっていることは、子供もします

みているだけで、その動きを学習しているからです

 

ミラーニューロンってすごいですね!!

 

これを頭において、

理学療法を実施してみましょう。

 

ということは、患者さんに模倣することは大切なんだと思います

模倣なので、正しいやり方、本気のやり方でないといけません

 

皆様も、一度、ミラーニューロンを念頭に

アプローチしてみて下さい!!

 

数値目標をクリアするかの評価は楽である

最近、つくづく思います。

 

数値目標をクリアするかの評価は楽だなって!!

 

理学療法士の臨床場面をのぞいてみましょう。

 

評価内容をみてみると、

 

MMT 膝伸展2 屈曲4

膝ROM 屈曲100度 伸展-15度

TUG(Timed up & Go test) 16秒24

10m歩行 21秒23

 

こんな風に記載されています。

これって客観的で一見、良いように思います。

 

だけど、大事なことは数値ではないと思いませんか?

 

大事なことは数値ではなくて、

 

なんでその数値になっているか!!です。

 

どうして筋力がMMT2なんだろう?

どうしてROMが膝屈曲100度なんだろう?

どうしてTUGが16秒なんだろう?

→16秒ということは転倒リスクは高い!そう決めつけていいのかな?

どうして10m歩行が21秒なんだろう?

→こちらも実用性がないと決めつけていいのかな?

 

結局は、客観的な数値は結果であって、

あまり意味をなさないと思っています。

 

ようは

数値よりも、

そうなる根拠、

自分の考え方が大事なのです!!

 

MMT2だから歩けないのか…転びやすいのか

ROM100度だから立てないのか、歩きにくいのか

TUGが16秒だから、転ぶのか…

10m歩行24秒だから屋外に出られないのか…

 

いやいやいや、

数値がこうだからって、決めつけても

間違っていることだらけですよ!

 

遅くても転ばない人もたくさんいる

むしろ遅い方が転ばなくて、速い人の方が転んでいることは多々あります

安全に歩きすぎても転びやすい場合は多々あります

 

だから、数値はあくまで片隅においておいて、

患者さんをきちんと見ましょうよ

真剣に向き合いましょうよ

 

例え、歩くのが遅くても支持反射が出たり、

立ち直り反応が出る方は転びません

 

だから

歩くなかでも、ふらっとした時の反応をきちんと見ていましょうよ

 

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理学療法士をコーチ(指導者)とするのならば、

まさにこれです!!

これが大事です!!

 

<一つ目>

自分の失敗や経験がないと相手に教えられません

→評価をやられる側になったことがなかったりする場合が多すぎます

本気でTUGをやったことありますか?本気でMMTやられたことありますか?

ない方が多すぎます

本気でTUGやMMTなどの評価をやられたことがないのに

どうやって患者さんの気持ちや動きがわかりますか?

わかるとは思えません。

やられたことがない評価があるとしたら、

一つ一つでいいので、明日から、臨床後に本気でやってみてください。

 

<二つ目>

数値のみの評価にしている指導者・管理者がいるとしたのならば、

指導・管理能力が低いと思います

ただ、みれていないから、

一見みているかのような根拠にしたいだけだと思います

最もらしい、言い訳でしかありません

 

似たように学生時代の評価も数値評価が多いので、

良くないとつくづく思います

その子の、どこが悪いのかをしっかりと示し、

そこをできるようにする!これが指導者であり教育だと思います!!

過去にも同じような記事を書きましたので、こちらを参照下さい。

 

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急性の痛みは冷やすとなぜ消える?

痛みは冷やすとなぜ消えるのかを簡単にスライドにまとめました。

1枚のスライドです。

 

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痛みは情報伝達が遅い神経線維を介し、脳へ伝わります。

冷たさは情報伝達が速い神経線維を介し、脳へ伝わります。

 

だから、痛みよりも冷たさの方が感じる!!

 

スポーツやっている人

 

とにかく急性の痛みにはアイシングですよ

 

炎症所見がある時はアイシング

 

これ覚えておいてください!!

 

短いですが、

意外に知らない人が多いので、まとまておきました!!

生活は無意識動作だから、無意識で動けるレベルを目指すべき!

皆様、自分の生活を考えてみて下さい。

意識して行っている動作ってどれくらいありますか?

 

朝目覚めて→どうやって起きようとか、左右どうちらに起きようとか…

歩く→どっちの脚から出そうとか、カーペットを跨ぐために脚を挙げようとか…

御飯食べる→どっちの手で食べようとか、口元にどうやって運ぼうとか…

靴を履く→左右どちらから履こうとか、指は曲げて足首は曲げてとか…

 

全部、無意識で行ってますよね。

これらを意識して行っているならば、生活が、動きが一杯一杯なんだと思います。

 

そこで重要なのが、

ボディイメージボディースキマです。

 

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ボディイメージ

まず、ボディイメージは自分の身体について、

学習(経験)し、蓄積したものであり、

自分の身体の外観に対する認識です。

要するに意識的に知覚したものです。

 

だから、ボディイメージを高めるには、

様々な経験をすることが大切です。

経験がないことには高まりません。

 

例えば、サッカーのジグザグドリブルをするとします

初めて行う場合は、難しいものです

だけど、何回も繰り返すことで、イメージがどんどん高まっていきます

こうしたら、ボールがコントロールできるんだ…

右に体重かければ、左で蹴れるんだ…

とにかく、意識して行うことで上手になっていきます

 

ここで大事なことは、意識下で何回も繰り返していくと、

無意識でできるようになります。

無意識で身体が動くようになります。

 

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ボディスキマ

 意識して動かす部分はボディイメージでありますが、

身体動作は難しいもので、意識するところなんて、ほんの一握りです。

 

あとはボディスキマで動作を行っています。

微調整をしながら、上手になっていきます。

 

ボディスキマは、

身体がなんとなく感じ取った身体の位置、運動および能力です

なんとなく感じられる感覚(無意識)です

 

このなんとなく感じられる感覚が多いほど、

パフォーマンスは上ります

 

イメージなしには、スキマは上りません

 

イメージを高めるためには、意識的に様々な経験をし、

スキマ(無意識)も同時に高めていきましょう。

 

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みなさん、臨床場面において、患者さんにイメージをさせていますか?

身体は動かさずに、

脚の股関節の位置はわかりますか?

指先の位置分かりますか?

肩甲骨の形や位置は分かりますか?

骨盤はどうやって傾いているか分かりますか?…

こんな質問したことありますか?

 

うーん、股関節はこの辺りかな?

指先はあの辺りかな?

肩甲骨は上が平行で、下がとがっているかな?…

このようにイメージさせることが、大切なのではないかと思います。

 

これも無知なのに、ボディイメージは高まらないと思います

 

その上で、自分の身体を動かし、触らせることで、

自分の位置感、身体の動きを認識するのです

 

例えば右手で、左の足先を触ってとか

右ひじで右の腿を触ってとか

股関節を触りながら、スクワットしてとか

膝裏を触りながら、ハムストリングスの収縮を感じてとか

 

まずはイメージとスキマを高めましょう!!

 

動作に関しては、無意識でできるレベルまで改善させないと、

本当の意味での安心した生活ができるレベルにはなりません。

 

住み慣れた家での正しい動作の繰り返しが大事です!!

 

そんなボディイメージ、ボディスキマのことが

書いてある著書です。

私自身、考え方が一気に変わりました。

理学療法士として枠組みが狭すぎたと痛感しました。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

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