脊椎圧迫骨折の理学療法⑤あなたは考える?
本日は、医師より離床開始の指示が出た場合、どうする?という話しをします。
もちろん、基本的な理学療法として、
筋力増強運動
関節可動域運動
ストレッチ
持久性運動
バランス練習
…
は必要となります。
だけど、私として一番大事な事は
身体の使い方だと思っています。
身体の使い方というのは、
骨折している部位である椎間関節での動作は卒業すべきということです。
そして、
これからの身体の使い方は、
股関節での動作の学習が必要です。
なぜかというと、圧迫骨折が起きた場合は、
大部分で脊椎の後彎変形が進行して起こっている場合が多いです。
後彎変形している脊椎で、動作をすると骨折リスクは高くなります
さらにはヘルニアリスクも高くなります
なので、これ以上の後彎変形を防止するために、
脊柱起立筋は両上肢挙上運動で働かせておきましょう。
その上で、これからの動作は
脊椎椎間関節という不安定な関節では行わないで、
股関節という安定した関節を中心として行うようにしましょう。
股関節は臼蓋に大腿骨頭がはまっており、安定しています。
簡単に脱臼することはありません。
股関節・骨盤が使えるということは、
腸腰筋、大殿筋、中殿筋が上手に使えるということ。
足関節・膝関節・股関節がエネルギー効率よく使えるということ。
です。
もちろん、大腿骨頭壊死や人工骨頭の方は除外して下さいね。
まとめると、
高齢者の場合、脊椎後彎変形増加(+転倒)による圧迫骨折が多いため、
脊椎の前方支柱が折れやすい。
医師および自分で画像を確認し、
安静度はコルセットできるまで離床不可の場合は、
ベッド上で丸太様寝返りの練習をし、獲得する
離床開始となったら、
立位・端座位にて両上肢挙上で脊柱起立筋の収縮を狙う
これは、脊椎後彎変形の進行を防ぐ
同時進行で、
腰椎椎間関節の動作は卒業し、できる限りの股関節動作を獲得する。
なぜかというと、椎間関節は不安定で、股関節は安定しています。
安定しているところを使い、かつ大きい筋である
大殿筋、中殿筋、腸腰筋をしっかりと使いましょう。
実際の臨床で感じることは、使えていない方が多すぎます!!
これは圧迫骨折の方に限ったことではありませんので、
若いうちから、股関節意識は徹底できるといいですね。