人工骨頭置換術は前側方アプローチが主流
さて、本日は大腿骨頸部骨折後に人工骨頭置換術のアプローチ方法について
みていきましょう。
学生だったり、若い理学療法士、
急性期の病院に行ったことがない理学療法士、
が想像できるように書いていきたいと思います。
ただ、私の考えなので、鵜呑みにしすぎないように、
職場の先輩、医師に聞いたり、自分で調べたりしてみて下さいね。
私が学生の時(15年前くらい)の主流は後方アプローチでした。
そして、術後の脱臼肢位は股関節屈曲・内転・内旋!!
これは嫌という程、徹底して関節操作や、ADL練習を行っていました。
が、今の主流は前側方アプローチが多くなってきています。
なぜかというと一言で言ってしまえば、
脱臼しにくく、損傷も少ないため、治癒が早いから。
どういうこと?
こちらをご覧ください。
後方アプローチ:
15年程前に主流であった後方アプローチは、
手術姿勢は側臥位で行い、
外旋筋、靭帯を切って、骨折部に侵入して、
人工骨頭置換を行っていました。
深層筋である外旋筋、靭帯を少し切ってしまうので、(縫合はしますが)
股関節内転、内旋への制動がきかなくなるため、
脱臼リスクが高まっていました。
また、縫合をしますが、切ってしまうので、治癒は遅くなります。
前側方アプローチ:
現在、主流になっているのが前側方アプローチです。
背臥位で筋間(筋を避ける)を侵入していき、骨折部へたどり着きます。
筋間なので、治癒も早く、早期にリハビリテーションが進めることができます。
加えて、外旋筋を切っていないので、脱臼リスクが低いのです。(1%以下)
脱臼肢位も変わってきます。
前側方アプローチでは、
伸展、内転、外旋が脱臼肢位となります。
伸展なので、よっぽどないかと思います。
これを念頭に置き、日々の臨床に出向きましょう!!