大腿骨頸部骨折術後の疼痛管理
手術後の疼痛について簡単に書いていこうと思います。
大腿骨頸部骨折術後、腰部脊柱管狭窄症術後、変形性膝関節症術後…
今回は整形疾患の術後について書いていきます。
手術後には疼痛があります。
どんな疼痛なのでしょうか?
こちらをご覧下さい。
手術日を0病日とします
0病日~5病日までには、
安静時痛:組織損傷、炎症によるものの痛みが続きます
また、
体動時痛:勝負が動くことによる痛みが続きます
いずれも組織の修復のための痛みと考えていただければ良いでしょう
そして、
5病日~数日は、
体動時痛が安静時痛消失後も数日間続きます
この疼痛が強く、長く続くと離床遅延し、活動量も減少するため、
筋力も、持久力も低下し、QOLも低下してしまいます。
疼痛が続くことで、
呼吸状態は悪化し、低酸素血症になり、
そうなると創の治癒遅延するマイナスのスパイラルに入ってしまいます
また、交感神経活動で下垂体-副腎系の内分泌反応は亢進し、
心拍数増加、血圧上昇し、心臓の負担が大きくなります。
さらには、深部静脈血栓症や肺塞栓症の原因にもなりかねません。
以上の様にいいことはありません。
なんとかせねば!!
そこで疼痛を薬でコントロールします。
方法には、2つあります。
1つ目は硬膜外空鎮痛法:硬膜外空にカテーテル挿入、留置し、局所麻酔薬や
オピオイドウィ持続投与する方法です
安静時痛強く、体動時はさらに増強する場合に用いるみたいです
2つ目は静脈投与法(IV):静脈ルートを使用し、オピオイドを持続投与します
最近はこちらを用いていることが多いです
オピオイドの機序はこちら⇩
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keyopioid.html
このような方法で術後の疼痛を管理しています
理学療法士にとって、
疼痛は非常に大切なことですので、
今、患者さんが何の痛みの状態なのかを考え介入しましょう
その痛みをどのような治療で改善させている状態なのかもしっかり確認しましょう
だけど、臨床で思うことは、
同じ骨折、同じ手術をしたとしても
疼痛の個人差は大きいということです
だから鎮痛薬の必要量には個人差があるなぁと思います
次回は鎮痛薬の必要量の管理について書いていこうと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。