大腿骨頸部骨折術後の筋力低下はなぜ起こる?
前回までは、
筋力について2つの記事にまとめてきました。
まずは、こちらをご覧下さい。⇩
その上で、
今回は、術後の筋力低下はなぜ起こるかを考えていきたいと思います。
余談ですが、私、阿武は病院14年、クリニック2年目の臨床経験をしています。
臨床において、術後の患者さんを相手にする機会が多く、
やはり、筋力低下しています。
では、術後の筋力低下はなぜ起こるのでしょうか?
疼痛によるもの?→
もちろん、疼痛により筋力が発揮されないことは大きく影響すると思います。
では痛み止めを飲んで、痛みがなくなれば、
筋力は発揮されるでしょうか?→
これが発揮されないことが多いのです。
だから、疼痛は直接的な影響ではなさそうです。
筋委縮によるもの?→
現在、早期手術・早期リハビリ介入があるので、
昨日まで歩けていた人が骨折したとして、
筋委縮が起こるなんてことは、まずありえないと思います。
だから、筋委縮でもないと思います。
では、なんなのよ?
術後に起こる筋力低下は、
筋損傷によるものが大きいと私は考えます。
上図のように、
形態的側面をみてみると、
骨折時の筋損傷や、
筋肉に手術による侵襲が加わることによる筋損傷が少なからず起こります。
よって、働ける筋の横断面積が減ってしまっているという事です。
次に上図のように、機能的側面をみてみましょう。
①神経活動についてです。
Grade4の筋変性が起こった場合、修復までに最低でも6週間はかかるとされています。
つまり、手術・外傷により筋損傷が起こった場合、
神経筋接合部の活動性を引き起こします。
その修復には6週間はかかるので、
術後の筋力低下は。神経活動が減少することによっても起こります。
また、心理的要因をみてみると、下のスライドです。
疼痛により動かしたくない気持ちになることや、
全身の倦怠感や活気がないこと、
術後の恐怖心があること、
安静にしておこうと先入観があること、
様々な個性ある要因が挙げられ、
これらも術後の筋力低下に影響してきます。
修復までの6週間は、筋損傷による筋力低下なので、
筋収縮を促しながら、筋の修復を待ちましょう。
それまでは本当に大事なことは、
術後の心理的要因について関わることかもしれませんね。
手術したことで、
自分の骨よりも強くなったよ
頑丈だから、安心して力入れて、体重かけてね
と声をかけてあげるだけで、
患者さんはだいぶ安心するみたいです
では、臨床頑張りましょう!
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。