臨床で持久性へのアプローチは少なすぎない?
今回は、”臨床で持久性へのアプローチは少なすぎない”という話をします。
日常生活の中で、必要なのは、次の2択だったら、どちらでしょうか?
筋力ですか?持久力ですか?
私は、断然に持久力だと思っています。
移動のこと、歩行のことを考えると、
筋力はさほど必要としません。
むしろ、筋力は要所、要所で発揮して、弛緩してができることが望ましいので、
がんがんに筋力をつけることがマイナスの効果になることは多々あるのです。
過去記事(⇩3つの記事)をご覧ください。
筋力は収縮-弛緩(脱力)を繰り返せる能力を身につけることが最も大事なのです。
だけども、普段の臨床をみてみると、
ベッドやプラットホームに寝せて、脚を10回挙げましょう…
車椅子座位で、膝を10回伸ばしましょう…
こんなことばかり、やっています
しかも、時間はたっぷりあるので(1日9単位:60分×3)、
ぐだぐだと…
いやいや、患者さんからお金をもらっているわけよ
国の保険で動いているわけよ
別に評価をやられに来たわけじゃないし、
3か月、6か月とか勝手に期間も決められる必要もないし…
本当に、その評価は大事なの?
本当に、その理学療法は大事なの?
本当に、その期間は必要なの?
もっと、まともに考えていかないと思います。
患者さんは、ただ早く良くなって帰りたいのです!
病院勤務14年間で管理職を2度やって、そう思いました。
で、長くなりましたが、本題に戻ります。
(すみません、いつも脱線してしまいます)
患者さんの生活を考えるのならば、
もっと持久性へのアプローチをしなくてはなりません。
皆様はしていますか?
1日は24時間あります。
筋力はあっても、日中に活動できる持久性がないと生活が成り立ちません。
スーパーマーケットまで歩ける持久性
スーパーマーケット内を歩ける持久性
コンビニまで行ける持久性
自動車運転する座位持久性
トイレまで行く持久性
起立・着座を繰り返せる持久性…
この持久性はものすごく大事なことだと思いませんか?
けど、意外に臨床では持久性へのアプローチはされていません。
ベッド、プラットホームに寝せる暇があるのならば、
1時間歩いていた方が数100…倍の効果があると思います。
歩きながら、会話でもしていたほうが数1000…倍の効果があると思います。
で、ところで持久力とは、なんでしょうか?
持久力とは、
生理学的定義では、
”筋のエネルギー源の供給と代謝産物の回収の定常性が維持される状態”
とされています。
全身持久力と局所持久力があり、
全身持久力は呼吸・循環の持久力であり、
骨格筋の1/7~1/6以上の筋肉が動く場合を言います。
局所持久力は筋持久力であり、
骨格筋の1/7~1/6以下の筋肉が動く場合を言います。
つまり、臨床において必要なことは、
1か所だけにアプローチすることはやめて、
色んな所をどんどんと動かしていかないといけません。
ただ、脚をあげるのではなく、
例えば、手を挙げながら、首も動かしながら、脚を挙げる…
例えば、ただ歩くのではなくて、手を挙げながら、指を動かしながら、会話しながら、
スピードを上げたり、下げたり…長い距離を歩くなど
ながら運動が必要になりますよ
これらの全身持久力を実施すると、
最大酸素摂取量の増加
有酸素作用開始の時間短縮
有酸素作用の時間拡大
心血管系の機能向上
がみられるようになるため、
持久力が向上するのです!!
臨床でもっともっと全身持久力へアプローチしよう!!
次回は全身持久力に影響する因子、至適運動強度、効果判定について
書いていこうと思います