いつも私のブログをご購読いただき、ありがとうございます。
ブログを休んでいましたが、落ち着いたので、再開したいと思います。
3年半ぶりにブログを更新させていただきます。
理学療法士・作業療法士の先生方、新人の先生方、実習生の方、
日々の臨床、お疲れ様です。
また、脳卒中片麻痺で足先が挙がりにくく悩んでいる方、
日常生活ではで大変悩み、ご労力を使っているかと思います。
本日は片麻痺歩行の代表である尖足歩行(つま先歩き)について
考えていきたいと思います。
解剖・運動・生理学を踏まえて、
臨床経験と私的な考えを入れて説明させていただきます。
意外と、ここまで深く考えたことはないのではないでしょうか?
タイトルは”尖足歩行の先には…”です。
尖足歩行の先には…
と聞かれて、なんと答えますか?
答えられますか?
このように質問させていただきますので、
自分で考えて、答えてみて下さい。
わからないなりには、自分の答えを持つことが一番大事ですよ。
では、答えてみて下さい。
尖足歩行の先には……?
どうでしょうか。
演習①です。
イニシャルコンタクト(IC)で尖足を作ってみると、
どうなりますか?
自分が片麻痺を経験したことがあるわけではないので、
想像できないかと思います。
なので、自分で尖足を作ってみて、
歩いてみましょう。
尖足の状態でICを迎えると、その先はどうなるでしょう?
これが大事です。
自分で模倣すること。
意外にやっていない先生方が多いのではないでしょうか。
では、演習①の私なりの考え方・感じ方を話していきます。
尖足接地(つま先歩き)をすると、底屈筋(ふくらはぎ)の緊張が高くなっているような感じがする。
下腿が後傾するため、大腿も後傾した状態である。
そのため、前方への重心移動が大変そうに感じる。
こんな感じに思えます。
模倣をしてみて、こんな感じがする。。
これが大事です。
その上で仮説を立てる。
これが大事です。
演習②です。
尖足でのIC~ローディングレスポンス(LR)はどう感じるか?
その時、膝屈曲位でのLRはどうか?
その時、膝伸展位でのLRはどうか?
これも模倣して、自分で感じてみましょう。
そして、その現象に対して仮説を立てましょう。
演習②の私なりの感じ方です。
膝屈曲では、膝折れが起こりそうに感じる。
膝伸展位では、臀部が後方に引けそうに感じる。
どちらも違和感でしかないし、歩きにくいと感じました。
何よりも歩くことが不快であり、楽しんで歩けないなと思いました。
皆様はどう感じましたか?
感じることから始まりますよ。
まとめますと、
尖足接地だと、
進行方向に対して、重心が移動しにくい!
重心は後方へ残ってしまう。
けど、重心を前方へ持っていかないと歩けない。
では、どうするか?
尖足歩行のその先には、
膝折れだったり、
反張膝だったり、
体幹前傾だったり、
上肢の引っ張りが起こる代償動作が起こる。
ICで踵接地できないだけで、
これらの現象が起こりやすくなっているのです。
患者さんのことがわかるというのは、
ただ外からみているだけでは、わからないと思います。
だから、
自分で模倣してみるべきです。
それでその現象を基にして、仮説を立ててみる。
それが一番わかりやすいと思います。
踵接地(ヒールロッカー)の重要性はこういうことなのです。
ヒールロッカーにより、
下腿前傾が起こるため、
重心移動を前上方に移動しやすく、
立脚中期を迎えることができる。
これです。
説明することは、簡単のようで、難しいです。
一つ一つの現象に対し、ここまで考えられたら、
おもしろくなってきますよね。
意外にここまで、考えている療法士は少ないような気がします。
だから、踵接地が大事なのだとか、
だから、立脚中期で高く持ってこれないだとか…
では、そもそもの、片麻痺になると、
どうして背屈が難しくなるのでしょうか。
麻痺の重症度にもよりますが、
「今回は前脛骨筋の随意収縮可能な場合とします。
だけど、足関節背屈は起こらず、内反・底屈が起こる。」
こんな場合ありませんか?
どうしてでしょうか?
前脛骨筋の収縮は入るんですよ。
けど動きとしては、背屈が起こらない。
意味わかりませんよね。
意味わかりませんよね。
この現象を説明できますか?
まずは、前脛骨筋の走行をみてみましょう。
図にあるような起始-停止の走行をしています。
停止が起始へ引っ張られるので、
走行上、内反(親指が上に挙がる)が必ず起こり、背屈します。
次に、長腓骨筋をみてみましょう。
図にあるような起始-停止の走行をしています。
停止が起始へ引っ張られるので、
走行上、外反(小指が上に挙がる)が必ず起こります。
片麻痺患者はなぜ、背屈が難しいか。
その結論です。
あくまで、私なりの考えなので、賛否両論はあるかと思いますが、
皆様も皆様なりに考えてみて下さい。
純粋な足関節背屈=前脛骨筋が働く背屈・内反+長腓骨筋が働く外反
つまり、前脛骨筋が収縮していても、長腓骨筋が収縮していないと、
純粋な足関節背屈は起こらない!!
これです。
脳血管障害の場合、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の緊張が高く底屈、
前脛骨筋が収縮して内反が起き、結果的に内反尖足となる場合が多いと考えています。
よって、内反-外反の制御のためには、
長腓骨筋-前脛骨筋での調整が必要となります。
実際に臨床において、長腓骨筋の収縮が入るようにアプローチしたところ、
純粋な背屈がみられるようになったところをみてきました。
今回一番言いたいことは、自分で模倣しよう。それで考えようという事です。
最後までブログを読んで下さり、ありがとうございまいました。