生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

予防じゃないよ‼教育だよ‼

これからの理学療法士の見せ所は、

医学的知識を用いた予防の分野だと思います。

 

だけど、私としては予防という言葉はあまり好きではありません。

 

人は生まれ、欲により、自然と動きを獲得していきます。

その中で、誰一人と言って、理論づいて動きを獲得していく人なんていません。

どんな風に寝返ろうか?

どんな風に立とうか?

どんな風に歩こうか?

どんな風に走ろうか?

そんなことを考えながら、動きを獲得した人なんていないはずです。

 

だから、難しいのです。

一度何らかの出来事が加わり、

動けなくなった場合、動けないのです。

ぎこちないのです。

違和感がとれないのです。

 

そもそも誰からも動き方を教わっていないのに予防もなにもないなと私は感じています。

 

理学療法士10数年経ったから言えることなのかもしれませんが、

この知識って、理学療法士だけがもっているのは、もったいなくない?

もっともっと子供の頃から、身体の動きの事を知っているべきじゃない?

 

今、私自身が子供を持ち、学校の教育の在り方(体育)について思うことは、

数値的な軸ばかりに視点を置いていることは問題だなと。

50m走が9秒だ…

サッカーで2点決めた…

通知表が4とか◎とか△とか…

 

とか、数値の評価ばかり。

もちろん数値的なことも大事ではあるんだけども、

それ以上に大事なことはもっともっとあるよ!!

 

私が言いたいのは、

とくに幼少期、小学校に大事なことは、

動く楽しみを感じてもらうこと

 

スポーツは1個じゃないよ

とにかく色んなことを体験して、選択肢を広げようよ

 

もっと言うならば、

走るという中にも、

手を挙げるのが綺麗だねとか

走っている時の表情が素晴らしいねとか

 

見れば見るほどいいところはいっぱいあるよ

 

それに数値ばかりだすのが教育ではない

走れないのならば、どうすれば速く走れるのかを教えなきゃ‼

 

通知表で1とか2がついた子って

この先、ずっと運動が好きになるわけがない

走るの遅いだけで、この先、運動から離れるのはもったいないよ

身体の動かし方なんて、誰にも教わっていないのにね

 

1とか2がついてしまった子の救い上げをしなきゃいかんでしょ

才能が秘めているかもしれないよ

だって、この頃って、

”やるかやらんか”

”やったことがあるかないか”

”親がやれせているかどうか”

 

ただ、それだけです。

様々な経験をさせましょう。

 

ここが理学療法士の見せ所!!

小学校に時点で身体機能を見て、

改善させ、かつ筋トレ、ストレッチ、バランスの指導を加えておく

立ち上がり、歩き方、ジャンプの仕方など

腰の使い方、股関節の使い方なども指導

 

かつ、運動の選択肢を大きく持ち、

楽しむ感覚を味わってもらう

 

そうすると、この先、運動器の障害は少しは減ってくると思う

運動器の障害が減るってことは、

動ける人が増えるから、生活習慣病も減り、

後の後の心疾患、代謝障害、呼吸器障害、脳血管の人も減ってくる

 

だから身体機能は、

予防じゃなくて、教育が大事なんよ!!

 

できる限り、若い時から教育が大事なんよ!!

 

2040年に高齢化率37%!!理学療法士は超大事!!

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日本の高齢化率の推移

これは日本の高齢化率の推移です

現状で30%で、3~4人に1人は65歳以上となっています。

20年後は37%で、2~3人に1人は65歳以上となってくる予想です。

これを見て、どう思います?

 

様々な意見があると思いますが、

長年、病院で勤務していた理学療法士である私の意見ですが、

命のことは、はっきりいって誰にも分りません。

とにかく、与えられた命がある限り、

人生を楽しみましょう。これにつきます。

 

そのためには必ず、運動は切っても切れません。

簡単に言うのはできます。

ただ、その人の身体、運動機能を見て、

適切な運動を指導しなければなりません。

ほとんどの場合はストレッチ、リリース、リラクセーション、

モビライゼーションなどを加えなければいけないと思います。

 

できることならば、痛くなる前に、身体が硬くなる前に

転ぶ前に、楽しみがなくなる前に

 

理学療法士として介入していきたいという願いです。

 

これが理学療法士の役目でしょう。

SPPBを知ってる?

前回お伝えしました

2019年に改訂したサルコペニア診断基準の

身体機能に含まれているSPPBについて記事を書いていこうと思います。

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SPPB英語

原著の評価表はこれです。

訳して使用して下さい。

とは言いません。

 

SPPB(short physical performance battery)は、

National Institute on Aging(NIA)によって開発され、 1994 年に発表された高齢者の下肢機能の評価バッテリーです。1)

 

ほとんど器具を必要としないで、

短時間でバランス、歩行、筋力が評価できるメリットがあります。

 

論文にもたくさん使われている評価方法ですので、

エビデンスレベルも高い評価となります。

 

この機会に是非、覚えていただき、臨床や地域で使用して頂けたらと思います。

ただ、評価というものはやり方が間違っていては、もちろんいけません。

 

しかし、現実的に間違って使用されていることを多くみかけます。

ここで正しい方法をご紹介していきます。

 

1.バランステスト

 閉脚立位>10秒→セミタンデム立位>10秒→タンデム立位>10秒

 ※実施者は開始時、姿勢のセッティングをしても良い

 ※各立位で10秒>ならば、次は歩行テストへ移る

 (得点)

順に実施し、

閉脚立位10秒できれば1点でセミタンデム立位へ できなければ0点で歩行テストへ

セミタンデム立位10秒できれば1点でタンデム立位へ できなければ0点で歩行テストへ

タンデム立位10秒できれば2点で歩行テストへ 3秒できれば1点、できなければ0点

各項目10秒できれば最大4点

 

2.歩行テスト

 4m歩行のタイムを測る

 ※横線の上に立位をとった姿勢からスタート

 ※速さは、いつも通りの速さで、速く歩いたりはしない

 ※4mの線をまたいで着地したところのタイムとなる

 ※4mの位置で止まらないように駆け抜ける

 ※2回測定し、速いほうを採用する

(得点)

 <4.82秒  4点

 4.82-6.20秒 3点

 6.21-8.70秒 2点

 >8.71秒  1点

 

3.椅子からの立ち上りテスト

 5回起立・着座のタイムを測る

 ※背もたれ付きの椅子を用意する

 ※胸の前で両腕を組む

 ※椅子にもたれた状態から始める

 ※きちんと最後まで起立をする

 ※5回目は起立で終わる 完全起立をしたまでをタイムとする

(得点)

≦11.19秒    4点

11.20‐13.69秒  3点

13.70‐16.69秒  2点

 >16.7秒    1点

>60秒     0点

 

合計12点満点で、

0-6点を低機能

7-9点を中等度機能

10-12点を高機能

 

と評価する。

 

簡単に評価できるので、一度行ってみて下さい。

で、理学療法士はここからです。

低機能だから、どうすれば挙がるのか?

高機能でも、本当に大丈夫?

など、ここからは個別性の理学療法を行いましょう。

 

<参考文献>

1)Guralnik JM,et al:A short physical performance battery assessing lower extremity function: association with self-reported disability and prediction of mortality and nursing home admission.Journal of Gerontology Vol.49 No.2:M85-M94,1994

設備の整った医療現場でのサルコペニア診断‼

サルコペニア診断基準2019

(日本サルコペニア・フレイル学会)

 

これまでの診断基準は2014年版であった。

 

5年ごとの見直しのため改訂した。

 

新たな基準では、骨格筋量の測定ができないかかりつけ医や地域の医療現場での診断を可能にするため、簡便なアルゴリズムを作成したとのこと。

 

今回の記事では骨格筋量の測定装置がある医療現場でのサルコペニア診断のアルゴリズムをご紹介していく。

 

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サルコペニアアルゴリズム(骨格筋量測定の設備あり)

このアルゴリズムに沿って、サルコペニアと診断し、運動療法や栄養療法の介入を始める。


2014年版からの変更点は、男性の握力のカットオフ値を26㎏未満から28㎏未満へ引き上げた。

これはアジア人のエビデンスを基に変更された。

 

とにかく、これからの時代、診断がつく前のサルコぺニア、フレイル、ロコモなどの早期発見が重要視されてくる。

 

寿命はどんどん延命(90歳程度)しているが、

健康寿命との差は10年開いている現状である。

 

疾患がつく前から、適切な栄養介入、運動介入を基本としていくことで、

健康寿命の延伸を期待している。

 

まだまだ、地域の方の運動機能、身体機能の研究は未知のことであるので

今後のためにも現状を把握していく必要がある。

 

で、健康寿命に対する考え方はブログ内の阿武の考え方を読んでいただきたい。

クリニックでサルコペニア診断‼

サルコペニア診断基準2019

(日本サルコペニア・フレイル学会)

 

これまでの診断基準は2014年版であった。

 

5年ごとの見直しのため改訂した。

 

新たな基準では、骨格筋量の測定ができないかかりつけ医や地域の医療現場での診断を可能にするため、簡便なアルゴリズムを作成したとのこと。

 

今回の記事では骨格筋量の測定装置がない診療所でのサルコペニア診断のアルゴリズムをご紹介していく。(専門病院のアルゴリズムは後日、ご紹介する)

 

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測定装置がない診療所での診断方法

 

このアルゴリズムに沿って、サルコペニア(可能性あり)と診断し、運動療法や栄養療法の介入を始める。

 

近くに専門施設がある場合は紹介し、確定診断を受けることを推奨している。


2014年版からの変更点は、男性の握力のカットオフ値を26㎏未満から28㎏未満へ引き上げた。

これはアジア人のエビデンスを基に変更された。

 

とにかく、これからの時代、診断がつく前のサルコぺニア、フレイル、ロコモなどの早期発見が重要視されてくる。

 

寿命はどんどん延命(90歳程度)しているが、

健康寿命との差は10年開いている現状である。

 

疾患がつく前から、適切な栄養介入、運動介入を基本としていくことで、

健康寿命の延伸を期待している。

 

まだまだ、地域の方の運動機能、身体機能の研究は未知のことであるので

今後のためにも現状を把握していく必要がある。

 

で、健康寿命に対する考え方はブログ内の阿武の考え方を読んでいただきたい。

 

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