生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

力のパフォーマンスは外旋・筋力型

前回、順応するパフォーマンスは内旋・脱力型であるという記事を書きました。

これはイチロー選手のバッティングの動作分析から分かります。

詳細は前回記事をご覧ください。⇩

kenkoupt.hatenadiary.jp

 

で、今回は”力のパフォーマンスは外旋・筋力型”をお伝えしていきます。

こちらのバッティング動作をご覧ください。

 

f:id:kenkouPT:20201209155504p:plain

ボンズ

 

スライドの写真は、 ボンズ選手です。

Wikipediaの情報です。

バリー・ラマー・ボンズ(Barry Lamar Bonds, 1964年7月24日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州リバーサイド出身の元プロ野球選手(外野手)・コーチ。左投左打。 MLB歴代1位記録となる通算762本塁打、シーズン73本塁打長打率.863、出塁率.609、OPS1.422、史上唯一の500本塁打500盗塁など、そのキャリアを通じて数々の記録を残し、史上最も偉大な野球選手の一人とされる 。

 

という偉大な選手のバッティング動作のスライドです。

ボールをとらえる際のフォームは、

イチロー選手とは全く異なります。

なんで、このフォームになるのかというと、

根本の筋量・筋力が強いからです(強すぎる)

 

強すぎる筋力を持つ選手は、

より遠くへ飛ばすことを念頭に置き、

外旋位でボールをとらえるのです。

 

飛距離は外旋位でとらえたほうが、出ます。

筋力がないといけないし、

筋へのエネルギー効率は悪いため、

傷害も起こしやすくなります。

 

これが外旋・筋力型です。

 

 

日本選手の方が分かりやすいかもしれません。

清原選手とイチロー選手で考えてみて下さい。

どちらも偉大な選手ですが、

傷害の回数は明らかにイチロー選手の方が少なかったと思います。

 

清原選手はずっと筋力強化をしていませんでしたか?

筋力はあるのに、まだ筋力はいるの?って感じで私はみていました。

 

やはり傷害が多く、離脱することが多かったですよね。

 

筋トレは筋肥大し、強くはなるのですが、

その分、伸張性は低下するので、

筋トレの方法として、目的となる筋を、

しっかりと伸張させてから、収縮させることや、

収縮した後は、リラックスさせることを

大切にすべきでしょう。

 

生涯にわたり長く使える筋‼

これこそが大切であると思います。

生涯を楽しむためには、

内旋・脱力型の筋の使い方をしていきましょう!

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

 

追伸:

清原選手は野球に関しては偉大な選手で、否定をしているわけではございません。

ただ、外旋・筋力型よりも、内旋・脱力型のほうが長期にわたりパフォーマンスはキープできるという例なので、あしからず…。

順応するパフォーマンスは内旋・脱力型

f:id:kenkouPT:20201209155453p:plain

前回まで、歩行は脱力から始まり、力強さは必要ないとお伝えしてきました。

 

で、本日からはパフォーマンスと力の関係について書いていきます。

 

上のスライドをご覧ください。

 

スライドの写真は、

今や知らない人はいない、

世界的に偉大な野球選手である

イチロー選手のバッティング動作です。

(オリックス時代)

振り子打法です。

 

ここで、

イチロー選手の振り子打法を思い出してみて下さい。

 

上肢も下肢も内旋でしっかりとためて重心を後方下肢へもっていき、

(内側に絞って)

あとはタイミングに合わせて、脱力してボールをとらえます。

 

ポイントは力強さがなくてもいいのです。

筋の性質を考えてみると、

内旋・内旋でしっかりと伸長された後に、

その伸びを効率よく収縮へつなげています。

非常にエネルギー効率がよく、

かつ瞬発的な最大筋力が発揮できています。

 

これが内旋・脱力型なのです。

 

イチロー選手はどんな球にも対応できる柔軟性をもっています。

ただ柔らかいだけではなく、動きも、変化にもしなやかに対応できるのです

 

ボールに当てることには順応し、

ファールボールへカットできます。

また大きなホームランを打てます。

 

内旋・内旋・内旋でためて、

伸長された筋を用い、

初速は筋力を一瞬使い、

あとは脱力でボールをとらえる。

 

これぞ誰もが認めるパフォーマンスが高いエビデンスです。

 

かつ怪我・外傷も少ない動き方なわけです。

 

イチロー選手をみていると、

とにかく筋肉・関節を伸ばしたりして、

動かしたりしていますよね。

 

動きもルーチン化・習慣化にしている。

 

尊敬します。

 

身体の柔軟性、動きの柔軟性、対応の柔軟性、

キャパシティの拡さ…

 

長くスポーツをするためには、

パフォーマンスが高い内旋・脱力型を目指していきましょう‼

 

次回は外旋・筋力型のパフォーマンスについて書いていきます。

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

歩行は脱力から始まる‼

前回の記事では、

歩行困難は筋力低下が最もな原因なのかを書きました。

 ⇩ご参照下さい。

kenkoupt.hatenadiary.jp

 確かに筋力は必要だが、意識的な力強さの筋力ではなく、

無意識的に使える柔らかく、柔軟な対応ができる筋力は必要です。

 

では、本日は歩行の動きについて書いていこうと思います。

こちらのスライドをご覧ください。

f:id:kenkouPT:20201209155442p:plain

歩行は脱力から始まる

まずは、

骨盤前傾・腰椎前彎をキープし、

下肢の支持力(床反力)が無意識的に働くことが大切です。

 

その上で、立位保持で静止している身体を、

前方へ動かすには力が、ガチガチに入っていては動けません。

 

静止している身体を動かすには、

床に接している足底を支点として、

頭部・上半身・体幹・骨盤を

脱力して重心を前方へ

動かさなければいけません。

 

脱力した結果、

床に接している足底を支点として

頭部・上半身・体幹・骨盤を前方へ移動できるわけです。

 

重心が前方へ移動した結果、

支持脚の股関節は伸展し、

振り出し脚は自然と一歩出ます

 

歩くのは、この繰り返しです。

 

ようするに、ここでも言いたいことは、

歩くことに力強さはいらないのです

 

むしろ、

 

足底を支点として、

脱力して重心を前方へ移動できるかが大切なのです

 

その際に股関節が柔らかくて、伸展位をとれることが大切になります

 

あとは、よく一般的にいうことである

”大きく脚を前に出しましょう”

 

これは間違いです

 

だって、普通に何事もなく歩けていた時を考えてみて下さい

 

脚を大きくだそう…なんてこと思って歩いていましたか?

 

歩いてないですよね。

 

大きく出そうとする時点で努力性の歩きになります

ガチガチな歩きです。

 

問題は、どうして努力性にしか歩けないのかを考えなければいけません。

 

例えば、股関節伸展の可動域がいかないから、

腸腰筋、四頭筋の短縮があるから、

痛みがあるから、

転ぶ不安があるから…

 

脚を出すことを求めるよりも、根本な問題を改善させましょう!!

 

無意識的に脱力して柔軟に対応できる歩き方を目標とし、

理学療法を実施していきましょう!!

歩行困難は筋力低下が最もな原因なのでしょうか?

唐突ですが、

一般的に歩行困難の問題は何か…との問いに対し、

最も多く原因として挙げられるものに、筋力低下があります。

 

日常でも、

ふらふらしてるとか、転んだとか、骨折したと聞くと、

自分の力がなくなったからかな…

こうやって思い込むことがほとんどです!

 

また、医師の診察でも、

だいたい、力がないんだね。

力をつけましょうと言われることがほとんどです。

 

けど、考えてみて下さい。

 

本当に筋力低下が最もな原因なのでしょうか?

 

 

まず歩行って、それほど筋力はいるのでしょうか?

 

考えてみてください。

 

我々は、生命が誕生してから、

1年足らずで自然に歩き出します。

乳幼児のころは骨も不完全で、

筋力なんて、あるわけがありません

でも立ち上がり、歩き出すのです

 

それから、”歩く”ことを

どうやって歩こうとか全く考えずに、

幼少期→青年期へと成長していくわけです

 

ここに力入れようとか、

支えるためにお尻に力いれようとか、

足を力強く振り出そうとか、

強く蹴りだそうとか…

 

”歩く”ことを考えることなんてほとんどありませんよね

 

別に力強く蹴りだして、

力強く支えて、

力強く振り出して、

力強く手を振って、

こんな努力性な歩きなんて、する必要はありませんでしたし、

考えて歩いたことなんて、ないと思います

 

むしろ、

力を抜き、何も考えずに、だらだらと歩いている人の方が多いはずです

 

臨床においても、

 

MMTでいうと2以下の方でも歩ける方は多くいます

 

だから、何が言いたいかって!

 

歩行困難の最もな原因は、筋力低下ではないですよ。

 

そんな簡単な話ではありませんよ。

 

では、なんで一般的に言うかというと、

身体の動きのことに対して、無知であるからです

筋力低下のせいにしとくのが一番、手っ取り早くて、

言う方も、受け手のほうも、なんとなく納得するからです。

 

 

 

ここから本題に入ります(前振りが長かった)

先ほど、歩行困難の最もな原因は筋力低下ではないと言いましたが、

この言い方も大雑把でした。すみません。

 

というのは、

立位姿勢の保持は、

下肢への支持(床反力)が垂直に行われることが大切になります

過去の記事でお伝えしましたが、

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

kenkoupt.hatenadiary.jp

kenkoupt.hatenadiary.jp

 

下肢の支持力が最も発揮されるには、

骨盤前傾・腰椎前彎が保たれる必要があります

このためには腸腰筋・多裂筋がしっかりと働く必要があります

もちろん、ここで筋力は必要となります

が、これらの筋力は無意識的に発揮される必要があるわけです

 

だから、まずは柔らかさ・柔軟性が必要であり、

筋力が無意識的に発揮される身体でないといけません‼

かつ、力強さは必要なく、

歩きの動きに対して、柔軟に反応できる必要があります

この反応も無意識的です

 

 

理学療法士の臨床を見てみると

さぁ、脚の力をつけましょう‼って気合入っている方を多くみます

”はい、大きく前に脚をだして”

”はい、しっかりと脚で支えて”

これらの言葉をかけて

患者に力強さの意識が入った時点で

無意識的な柔軟な動きの獲得は遠ざかります

 

現に力強さを入れて歩行獲得して退院した方は、

転倒して再入院してくることが多いです。

 

それは、

下肢の支持のキャパシティーが小さいからです

筋の強さでの対応しか覚えていないため、

シンプルな支持はできても、

なにか変化ある刺激がある場面では、

対応できないのです。

やってないから、やれなくなる

これがキャパシティーが小さくなる原因です

”フレイル”の方は間違いなく主の問題点です

 

だから、

歩行自立を目的とする理学療法では、

筋力強化の先入観は入れずに、

筋肉を使わせることを心掛けたほうがいいのは確実です

どんな場面においても、使うことができる筋の柔らかさや、

筋の発揮を高めたほうがいいです

 

変な固定観念で、

これをやっていれば絶対といえる理学療法はありません

とにかく、様々な経験を

運動機能のキャパシティーを拡大させる‼

 

これが普段使える身体・動ける身体になるために、必要なことでないでしょうか。

 

力強く素早く歩くよりも、

むしろ

力を抜いて、だらだらとゆっくり歩けることを目標としましょう‼

 

 

次回の記事は、下のスライドについて書いていきます。

お楽しみにしていて下さい。

よろしければ読者登録をお願い致します。

 

 

f:id:kenkouPT:20201209155442p:plain

腸腰筋を鍛える”四股のすすめ”

過去2記事では、

二足直立歩行をするには、

腰椎前彎・骨盤前傾が最重要であり、

そのためには腸腰筋(大腰筋)と多裂筋が大切ですよというお話をしてきました。

詳細は過去記事をご覧ください。⇩ 

kenkoupt.hatenadiary.jp

kenkoupt.hatenadiary.jp

 

さて、本日は腸腰筋(大腰筋)を鍛えるためには、

腸腰筋(大腰筋)を活性化するためには、

どうすれば良いかを書いていきたいと思います。

 

f:id:kenkouPT:20201214145638p:plain

四股のすすめ

 

上の写真はご存じの通り大横綱白鵬関です。

すごくきれいで、迫力がありますね。

やはり強い力士は、格好から違います。

 

この四股が腸腰筋の強化に有効なのです。

 

写真の中の赤線腸腰筋です。

腸腰筋は、腰椎前彎を保ち、股関節屈曲90度で最も強く働きます。

 

かつ、オレンジ線は内転筋群ですが、

内転筋群と腸腰筋は筋連結しているため、

内転筋群を伸ばすと、腸腰筋は、より働きやすくなります。

 

つまり、この四股をとることで、強化できるのです。

 

もっと言うならば、股関節を外旋位に保持するので、

外旋6筋も働かすことができます。

 

いいことばかりですね。

 

普段から私は四股をとるようにしています。

 

だからか、腰痛にはなりませんし、

 

直立二足立位を保てています。

 

皆さん、四股は普段からとりますか?

 

臨床で腰痛、膝痛、頸部痛、肩こり…などの痛みを抱えている方に、

 

四股をとらせると、取れない方がむちゃくちゃ多すぎます。→これは根拠になります。

 

特に女性の方は、幼少期から脚を大きく外側に開く機会がないみたいです

 

だから、内転筋も使えていないですし、腸腰筋はもちろん使えていません

 

腰椎前彎、骨盤前傾位での股関節動作ができません

 

少しずつ働かせるためには、

 

まず、

 

毎日、四股をとりましょう

 

恥ずかしいとか言ってては、だめです

 

臨床上、できない方が多いのは確実ですから、

 

継続すれば、必ず効果はでてきますよ!!

 

痛い方だけでなく、

 

予防としても四股はとった方がいいです。

 

直立二足歩行を実現するためには腸腰筋がいかに機能するかが最重要です。

 

気楽に意味のある・根拠のある運動を継続しましょう。

 

フレイル・ロコモ予防にもなりますよ!!

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

プライバシーポリシー お問い合わせ