生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

歩行困難は筋力低下が最もな原因なのでしょうか?

唐突ですが、

一般的に歩行困難の問題は何か…との問いに対し、

最も多く原因として挙げられるものに、筋力低下があります。

 

日常でも、

ふらふらしてるとか、転んだとか、骨折したと聞くと、

自分の力がなくなったからかな…

こうやって思い込むことがほとんどです!

 

また、医師の診察でも、

だいたい、力がないんだね。

力をつけましょうと言われることがほとんどです。

 

けど、考えてみて下さい。

 

本当に筋力低下が最もな原因なのでしょうか?

 

 

まず歩行って、それほど筋力はいるのでしょうか?

 

考えてみてください。

 

我々は、生命が誕生してから、

1年足らずで自然に歩き出します。

乳幼児のころは骨も不完全で、

筋力なんて、あるわけがありません

でも立ち上がり、歩き出すのです

 

それから、”歩く”ことを

どうやって歩こうとか全く考えずに、

幼少期→青年期へと成長していくわけです

 

ここに力入れようとか、

支えるためにお尻に力いれようとか、

足を力強く振り出そうとか、

強く蹴りだそうとか…

 

”歩く”ことを考えることなんてほとんどありませんよね

 

別に力強く蹴りだして、

力強く支えて、

力強く振り出して、

力強く手を振って、

こんな努力性な歩きなんて、する必要はありませんでしたし、

考えて歩いたことなんて、ないと思います

 

むしろ、

力を抜き、何も考えずに、だらだらと歩いている人の方が多いはずです

 

臨床においても、

 

MMTでいうと2以下の方でも歩ける方は多くいます

 

だから、何が言いたいかって!

 

歩行困難の最もな原因は、筋力低下ではないですよ。

 

そんな簡単な話ではありませんよ。

 

では、なんで一般的に言うかというと、

身体の動きのことに対して、無知であるからです

筋力低下のせいにしとくのが一番、手っ取り早くて、

言う方も、受け手のほうも、なんとなく納得するからです。

 

 

 

ここから本題に入ります(前振りが長かった)

先ほど、歩行困難の最もな原因は筋力低下ではないと言いましたが、

この言い方も大雑把でした。すみません。

 

というのは、

立位姿勢の保持は、

下肢への支持(床反力)が垂直に行われることが大切になります

過去の記事でお伝えしましたが、

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

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下肢の支持力が最も発揮されるには、

骨盤前傾・腰椎前彎が保たれる必要があります

このためには腸腰筋・多裂筋がしっかりと働く必要があります

もちろん、ここで筋力は必要となります

が、これらの筋力は無意識的に発揮される必要があるわけです

 

だから、まずは柔らかさ・柔軟性が必要であり、

筋力が無意識的に発揮される身体でないといけません‼

かつ、力強さは必要なく、

歩きの動きに対して、柔軟に反応できる必要があります

この反応も無意識的です

 

 

理学療法士の臨床を見てみると

さぁ、脚の力をつけましょう‼って気合入っている方を多くみます

”はい、大きく前に脚をだして”

”はい、しっかりと脚で支えて”

これらの言葉をかけて

患者に力強さの意識が入った時点で

無意識的な柔軟な動きの獲得は遠ざかります

 

現に力強さを入れて歩行獲得して退院した方は、

転倒して再入院してくることが多いです。

 

それは、

下肢の支持のキャパシティーが小さいからです

筋の強さでの対応しか覚えていないため、

シンプルな支持はできても、

なにか変化ある刺激がある場面では、

対応できないのです。

やってないから、やれなくなる

これがキャパシティーが小さくなる原因です

”フレイル”の方は間違いなく主の問題点です

 

だから、

歩行自立を目的とする理学療法では、

筋力強化の先入観は入れずに、

筋肉を使わせることを心掛けたほうがいいのは確実です

どんな場面においても、使うことができる筋の柔らかさや、

筋の発揮を高めたほうがいいです

 

変な固定観念で、

これをやっていれば絶対といえる理学療法はありません

とにかく、様々な経験を

運動機能のキャパシティーを拡大させる‼

 

これが普段使える身体・動ける身体になるために、必要なことでないでしょうか。

 

力強く素早く歩くよりも、

むしろ

力を抜いて、だらだらとゆっくり歩けることを目標としましょう‼

 

 

次回の記事は、下のスライドについて書いていきます。

お楽しみにしていて下さい。

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