生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

子供の運動能力向上にはペリパーソナルスペース拡大が重要!

皆様、ペリパーソナルスペースという言葉を聞いたことがありますか?

我々、理学療法士にとって、ペリパーソナルスペースが大変重要になってきます。

ご存じない方は、お付き合い下さい。

下のスライドをご覧下さい。

 

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ペリパーソナルスペース

 peripersonal space

ペリパーソナルスペース

(上図の青のスペース)は、

身体を取り巻く、腕が届く範囲のこの目に見えない空間体積であります。

また、バットや車、帽子などを身に着けた時は、

それが身体の一部となるため、その先までがペリパーソナルスペースとなります。

 

日常で歩いている時、無意識に足の下の石をまたいだり、よけたりしています。

脳は常に空間をモニターしながら高速に処理して運動をしているのです。

この身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間を

ペリパーソナルスペースと呼びます。

 

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サッカー選手は、このペリパーソナルスペースが大きいと言われており、

野球選手はバットの先端

テニス選手はラケットの先端

にまでペリパーソナルを延長できると言われています。

パフォーマンスが高い選手ほど、身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間である

ペリパーソナルスペースは拡大していると言われています。

 

運動能力が低い子供の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

ペリパーソナルスペースが狭小化していると言えます。

 こういう子の特徴として、

遊びの中で、

すぐに、いち抜けぴっと、に抜けぴっと…

遊びでも、逃げてしまう子が多いです

 

一度始めた運動でも都合が悪くなると、

自分から抜けていくという行動が多いように感じます。

 

こういう子に対して、

理学療法士として、

どうしていかなければいけないかというと、

このペリパーソナルスペースを拡大させるように介入していかなければなりません。

 

ペリパーソナルスペース拡大なしに運動能力は向上しません。

 

当クリニックにくる運動器疾患や転倒しやすい子供の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

やはり、狭すぎる場合が多いです。

 

まずは、私の場合、

その子供に対しての

初期評価をまずは徹底的に行い、

その結果を踏まえて、

積極的にペリパーソナルスペースを拡大させるように介入します。

 

これはベッドで寝て脚の運動をしていても変わりません。

スクワットしていても変わりません。

逃げていてもかわりません。

安全なことばかり、やっていても変わりません。

 

ボール投げだったり、

サッカーだったり、

ボール打ち(野球)だったり、

バトミントンだったり、

2重課題、3重課題下での運動だったり…

とにかく積極的に色んなことへ介入していきます

 

とにかく、経験あるのみです。

 

なんだか、うちの子、転びやすいな…とか

なんだか、うちの子、運動音痴だな…とか

なんだか心配な場合は、

 

近くの理学療法士がいるクリニックへ相談しましょう!!

別に運動器疾患がなくても

運動器が不安定だということで、リハビリテーションはできますよ。

 

むしろ将来がある子供の運動能力を向上させるには、

早め早めがいいです。

 

私の臨床経験上、

1ヶ月もすれば、一気に運動能力は向上してきますよ。

自身がつけば、子供は変わる。

 

これ大変重要です。

やるかやらんかです。

 

ペリパーソナルスペースが拡大したら、

次はエクストラパーソナルスペースへ

 

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そんなペリパーソナルスペース、エクストラパーソナルスペースのことが

書いてある著書です。

私自身、考え方が一気に変わりました。

理学療法士として枠組みが狭すぎたと痛感しました。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

転倒予防にはペリパーソナルスペースを拡大させるべき

皆様、ペリパーソナルスペースという言葉を聞いたことがありますか?

我々、理学療法士にとって、ペリパーソナルスペースが大変重要になってきます。

ご存じない方は、お付き合い下さい。

下のスライドをご覧下さい。

 

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ペリパーソナルスペース

 peripersonal space

ペリパーソナルスペース

(上図の青のスペース)は、

身体を取り巻く、腕が届く範囲のこの目に見えない空間体積であります。

また、バットや車、帽子などを身に着けた時は、

それが身体の一部となるため、その先までがペリパーソナルスペースとなります。

 

日常で歩いている時、無意識に足の下の石をまたいだり、よけたりしています。

脳は常に空間をモニターしながら高速に処理して運動をしているのです。

この身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間を

ペリパーソナルスペースと呼びます。

 

f:id:kenkouPT:20210223014409p:plain

 
サッカー選手は、このペリパーソナルスペースが大きいと言われており、

野球選手はバットの先端

テニス選手はラケットの先端

にまでペリパーソナルを延長できると言われています。

パフォーマンスが高い選手ほど、身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間である

ペリパーソナルスペースは拡大していると言われています。

 

ここで、高齢者をみてみましょう。

我々が相手する方は、転倒して骨折した後の方や、

ふらふらしていて転倒しそうな方、痛みにより歩きにくい方が多いです。

ロコモ・フレイルの方でも言えます。

 

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上のスライドのように、

転倒した方、しそうな方、骨折した方、

ロコモ・フレイルの方の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

ペリパーソナルスペースが狭小化していると言えます。

 

ですから、理学療法士として、

どうしていかなければいけないかというと、

このペリパーソナルスペースを拡大させるように介入していかなければなりません。

 

ペリパーソナルスペース拡大なしに転倒は防げませんし、

ロコモ・フレイルの改善にはなりません。

 

私の場合、初期評価をまずは徹底的に行い、

その結果を踏まえて、

積極的にペリパーソナルスペースを拡大させるように介入します。

 

これはベッドで寝て脚の運動をしていても変わりません。

スクワットしていても変わりません。

安全なことばかり、やっていても変わりません。

 

ボール投げだったり、

サッカーだったり、

ボール打ち(野球)だったり、

ゴルフだったり、

2重課題、3重課題下での運動だったり…

とにかく積極的に介入していきます

 

一番いいことは、その患者さんが若い時にやったことのあることから、

行っていきます。

まずは、できていたあの頃を思い出して、動作として復活させていきます

 

ボール投げ・ボールとりなんかは、誰しもがやったことがあるはずです。

実際に臨床で行っていますが、

20~40年ぶりにやったとか言う方ばかりです

 

そんなにもやっていない期間が長ければ、

やはりペリパーソナルスペースは狭小化してしまいますよね。

 

そんな狭小化した状態で、日常生活を行っていたわけです。

自分が精いっぱい、立つのが精いっぱい…

こんな精いっぱいの状態では、やはり転びやすくなります

自信がなくて、怖くて怖くてたまらなくなりますね…

 

ボール投げ・ボールとりも行っていくと、すぐに上手になります。

ただ、大事なことはボール投げ・ボールとりを上手くしたいわけではありません。

上手くなった結果的に、ペリパーソナルスペースが拡大し、

歩行が一気に向上していくことが多々あります。

 

次に、

ボール投げ・ボールとりが上手くなり、ペリパーソナルスペースが拡大し、

歩行が向上したなと思ったら、

棒やラケットを持ってもらい、

棒やラケットでボールを当ててもらいます

 

考えてみてください。

棒やラケットには感覚がありませんよね。

けども持ったことで自分の身体の一部になるのです。

なんとなく感じられるようになってくるのです。

この棒やラケットに当てられるようになったら、

これまた、さらにペリパーソナルスペースが拡大していきます。

この頃には、下を向くことなく、

堂々たる歩き方になっていきます。

しかも無意識的にです。

 

皆様も何気なく、ボール投げとかやっていると思いますが、

このペリパーソナルスペースを拡大しようという頭でやっている方は、

少ないのではないのでしょうか?

 

最後に注意ですが、

転倒しない運動機能にするには、

ペリパーソナルスペースを拡大させることは必須です。

ただ、拡大させるためのアプローチは転倒リスクが伴います。

適切な評価と、介入時のハンドリング、転倒リスクを考えてアプローチしましょう!

 

そんなペリパーソナルスペースのことが書いてある著書です。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

筋スパズムはロコモ・フレイルで多い

私は普段の臨床で、

ロコモ・フレイルだったり、

疼痛性の運動器疾患、

若年の頚椎症、腰椎関節症…などなど

様々な疾患をみさせていただいています。

 

動きがおかしくなった

痛みが出た

なんか変

しびれが出た

重だるい…

 

様々な症状がありますが、

診ていくと、ほとんどの方に筋スパズムがみられます

 

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筋スパズム

筋スパズムとは、

筋の持続的な攣縮により筋内圧が上昇して

同時に血管のスパズムも生じて

虚血が生じていることです。

 

つまり、なんらかのことがきっかけで、

筋緊張が高く、いわゆる力が抜けきれなくなった状態が続き、

筋内の血管を圧迫して、

虚血状態(血が通わない)となってしまうというわけです

 

カニズムは下記スライドをご参照下さい。

 

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筋スパズム

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筋スパズム

交感神経に関与する節前線維に作用して、

血管の攣縮を引き起こし、前角細胞のα運動線維に作用して、

筋の攣縮を引き起こします

筋細胞は虚血になり

発痛物質感作し、

疼痛が出現し、

脊髄反射を反復します

 

脊髄反射のレベルなのです

だから、筋スパズムを放置すると即効固めてしまいます

すると、動きは悪いままです

 

結構、フレイル・ロコモの方では、

この筋スパズムが原因で動きが悪くなっている方が多いです

このスパズムを取り除くと動きが良くなることが多いです

 

だから、放置せず、

筋スパズムを取り除くアプローチを行いましょう。

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筋スパズム

 筋スパズムの鑑別ですが、

上記のスライドをご参照下さい。

 

ポイントは

圧痛があるかないか。

筋の伸長位と弛緩位の緊張の程度。

筋力低下と等尺性収縮時痛の有無。

です。

 

詳細はこちらの著書をご覧ください。

大変参考になりますよ。

理学療法士書籍のバイブルです。


 


 

姿勢保持筋を鍛える根本的な方法

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今回は姿勢保持筋を鍛えるには?というお話をしていきたいと思います。

こちらも理学療法士でなくてもわかるようにしていきます。

 

立つために姿勢を保持するためには、

簡単にいうと背部側の筋を働かせ、直立に保つ必要があります。

その際、腹部側の筋肉は伸びています(張力を保っている)

 

これらの姿勢保持筋の筋の収縮の仕方(筋の長さは変わらない)を

等尺性収縮といいます。

 

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では、この姿勢保持筋を鍛えるには、どうすればいいのでしょうか?

最近では色々な方法が報告されていたり、紹介されていますが、

なかなか気軽にどこでもできる運動が紹介されていない現状です。

みなさん、難しく考えないで下さい。

 

ただ、毎日一度は両腕を挙上させるだけで十分です。

 

けども意外の意外に生活では挙上させていません。

そうすると、肩甲帯周囲、背部の筋が使えなくなってしまいます。

要するに、姿勢保持筋の筋力低下です。

 

まずは毎日一度は両腕を挙上させることから始めていきましょう。

 

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スライドのように両上肢挙上を行います。

その際に、腹部をしっかりと伸ばし、腕は天井に伸ばす意識で行って下さい。

これで、腹部はストレッチかかり、背部は筋収縮が入る(活性化する)のです。

 

もっというのならば、両上肢挙上させた状態で、

腹式呼吸を行って下さい。

 

吸う時は”すー”

吐く時は”ふー”

 

これで呼吸に重要な横隔膜をしっかりと使えるようになります。

かつ最後まで吐ききることで、より深層の腹横筋も活性化します。

 

もっともっというのならば、

横隔膜と腸腰筋(大腰筋)は連結していますので、

以前の記事で紹介させていただいた

大変、大変、重要な筋である腸腰筋まで活性化し、

収縮しやすくなるのです。

 

いいことづくしです。

 

継続は力なりです。

けど、両上肢挙上くらいなら、

いつでもどこでも、行えますよね。

 

頸部痛、腰部痛、肩関節周囲炎の予防にもなりますよ。

もちろん、ロコモ・フレイルの予防・改善にも効果がありますよ。

 

是非行ってみてください。

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

kenkoupt.hatenadiary.jp

フレイル・ロコモ改善には筋肉の遠心性収縮の練習をしよう‼

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最近、臨床において振り返ることがある。

さて、筋の収縮とは…?

そう聞かれてなんと答えるか。

みなさんも、答えてみてほしい。(1分以内に端的に)

 

今回はそんな筋収縮について書いてみることにした。

理学療法士でない方でもわかるようにしていく。

 

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単収縮(攣縮)

 

筋は神経に電気信号が流れることにより、収縮する。

神経による1回の刺激で1回収縮することを単収縮(攣縮)という。

この単収縮は、日常において腱反射や、しゃっくり、心筋の動きに使われている。

だから、運動には使われていない収縮である。

 

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強縮

単収縮が終わらないうちに、2つ目の収縮…3つ目…4つ目が起こる。

これを強縮と言い、運動時の筋収縮は強縮になる!

この強縮が起こらないと、運動は困難になっていく。

しかも、その時、その動作に必要なだけの強縮だ。

これが鈍ると、上手に遂行できないのだ。

 

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等張性収縮

そんな強縮には、異なる収縮形態がある。

 

一つは求心性収縮である。

求心性収縮は張力を保ち、起始と停止が近づく筋収縮である。

起始は筋肉の始まりで、停止は筋肉の終わりである。

筋肉が収縮すると起始と停止が近づくことになる。

これが求心性収縮である。

 

もう一つは遠心性収縮である。

遠心性収縮は張力を保ち、起始と停止が遠ざかる筋収縮である。

 

上腕二頭筋でいうと、

端坐位で、

張力を保ち、肘を屈曲していくときの収縮は求心性収縮であり、

張力を保ち、肘を伸展していくときの収縮は遠心性収縮である。

 

ポイントは張力を保ちながら、動作を行うことである。

もっというのならば、重力下で張力を保ちながら、落下させていく場合、

遠心性収縮が必要となる。

この遠心性収縮ができないと、一気に落ちてしまうことになる。

そうすると、動作も遂行できないし、関節は痛めやすくなる。

 

筋肉の性質上、収縮と弛緩の2種類しかないので、

収縮させながら(張力を保ちながら)、

起始と停止を遠ざけることの負荷は非常に大きいものとなる。

 

しかし、重力下で生きる以上は

遠心性収縮は重要の重要の重要な収縮だ。

 

考えてみてほしい。

レーニング、理学療法場面において、

遠心性収縮の練習をしている方はどれくらいいるだろうか?

筋力増強運動をみていると、

求心性収縮ばかりいているように思える。

 

けども、日常生活をみてほしい。

求心性収縮を必要としている場面はそれほど多くない。

それに痛みの発生しやすい人や、転倒の危険性が高い人は、

遠心性収縮が苦手な人が多い。

これは臨床経験から明瞭だ。

 

けど、研究をさがしても、大腿四頭筋の筋力が増加したなど、

求心性収縮力が増加したという報告ばかりだ。

端坐位で膝伸展筋力が増えたことが、

日常生活のどこに影響するのだろうか?

どの場面で、膝伸展筋力を使うのだろうか?

 

立位の場面?歩行の場面?

いや、四頭筋はそれほど必要としない…

起立の場面?

いや、四頭筋強すぎは良くない…

 

臨床上、端坐位において”膝伸ばして下さい”というと、

伸ばせない人はさほどいない。

だったら、四頭筋は問題ではないよね。

 

逆にハムストリングスを増強させてみる

歩行も、起立も、立位も良くなることが多い…

 

●大事なことは遠心性収縮を上手く行えるようにすること

●ゆっくりとした動作を行えるようにすることである

 

ゆっくりと張力を保ちながら、起始と停止を離していく。

これが上手くなれば、日常生活動作能力は格段にあがり、

痛みも発生しにくくなる。

 

フレイル、サルコペニアの改善に大事なことは、

遠心性収縮が上手くなること!!

これです。

 

がつがつ求心性の運動ばかりやる必要はない。

一つ一つ丁寧に遠心性収縮ができるようにしていくべき。

実際に私はクリニックで、遠心性収縮の練習を実施しています。

すると、階段の降りる時、着座時の痛みは改善し、

また動作自体も安定していきます。

これは、何人もみていることなので、根拠があります。

 

ここで、求心性収縮ばかりやらせていたとしたら、

間違いなく良くなりません。

良くなるどころか、どんどん緊張が高まり、

棒状の脚になってしまいます。

これも良くみてきたので、間違いありません。

 

遠心性収縮が使われる場面や、練習方法は後日またお伝えしていこうと思います。

 

 

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等尺性収縮

 もう一つ、筋の長さを変えない、関節は動かさないで収縮することを

等尺性収縮という。

 

これは姿勢保持筋がよくしている収縮様式である。

 

等尺性収縮については、次回の記事に書いていくことにします。

 

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