生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

数値目標をクリアするかの評価は楽である

最近、つくづく思います。

 

数値目標をクリアするかの評価は楽だなって!!

 

理学療法士の臨床場面をのぞいてみましょう。

 

評価内容をみてみると、

 

MMT 膝伸展2 屈曲4

膝ROM 屈曲100度 伸展-15度

TUG(Timed up & Go test) 16秒24

10m歩行 21秒23

 

こんな風に記載されています。

これって客観的で一見、良いように思います。

 

だけど、大事なことは数値ではないと思いませんか?

 

大事なことは数値ではなくて、

 

なんでその数値になっているか!!です。

 

どうして筋力がMMT2なんだろう?

どうしてROMが膝屈曲100度なんだろう?

どうしてTUGが16秒なんだろう?

→16秒ということは転倒リスクは高い!そう決めつけていいのかな?

どうして10m歩行が21秒なんだろう?

→こちらも実用性がないと決めつけていいのかな?

 

結局は、客観的な数値は結果であって、

あまり意味をなさないと思っています。

 

ようは

数値よりも、

そうなる根拠、

自分の考え方が大事なのです!!

 

MMT2だから歩けないのか…転びやすいのか

ROM100度だから立てないのか、歩きにくいのか

TUGが16秒だから、転ぶのか…

10m歩行24秒だから屋外に出られないのか…

 

いやいやいや、

数値がこうだからって、決めつけても

間違っていることだらけですよ!

 

遅くても転ばない人もたくさんいる

むしろ遅い方が転ばなくて、速い人の方が転んでいることは多々あります

安全に歩きすぎても転びやすい場合は多々あります

 

だから、数値はあくまで片隅においておいて、

患者さんをきちんと見ましょうよ

真剣に向き合いましょうよ

 

例え、歩くのが遅くても支持反射が出たり、

立ち直り反応が出る方は転びません

 

だから

歩くなかでも、ふらっとした時の反応をきちんと見ていましょうよ

 

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理学療法士をコーチ(指導者)とするのならば、

まさにこれです!!

これが大事です!!

 

<一つ目>

自分の失敗や経験がないと相手に教えられません

→評価をやられる側になったことがなかったりする場合が多すぎます

本気でTUGをやったことありますか?本気でMMTやられたことありますか?

ない方が多すぎます

本気でTUGやMMTなどの評価をやられたことがないのに

どうやって患者さんの気持ちや動きがわかりますか?

わかるとは思えません。

やられたことがない評価があるとしたら、

一つ一つでいいので、明日から、臨床後に本気でやってみてください。

 

<二つ目>

数値のみの評価にしている指導者・管理者がいるとしたのならば、

指導・管理能力が低いと思います

ただ、みれていないから、

一見みているかのような根拠にしたいだけだと思います

最もらしい、言い訳でしかありません

 

似たように学生時代の評価も数値評価が多いので、

良くないとつくづく思います

その子の、どこが悪いのかをしっかりと示し、

そこをできるようにする!これが指導者であり教育だと思います!!

過去にも同じような記事を書きましたので、こちらを参照下さい。

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

急性の痛みは冷やすとなぜ消える?

痛みは冷やすとなぜ消えるのかを簡単にスライドにまとめました。

1枚のスライドです。

 

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痛みは情報伝達が遅い神経線維を介し、脳へ伝わります。

冷たさは情報伝達が速い神経線維を介し、脳へ伝わります。

 

だから、痛みよりも冷たさの方が感じる!!

 

スポーツやっている人

 

とにかく急性の痛みにはアイシングですよ

 

炎症所見がある時はアイシング

 

これ覚えておいてください!!

 

短いですが、

意外に知らない人が多いので、まとまておきました!!

生活は無意識動作だから、無意識で動けるレベルを目指すべき!

皆様、自分の生活を考えてみて下さい。

意識して行っている動作ってどれくらいありますか?

 

朝目覚めて→どうやって起きようとか、左右どうちらに起きようとか…

歩く→どっちの脚から出そうとか、カーペットを跨ぐために脚を挙げようとか…

御飯食べる→どっちの手で食べようとか、口元にどうやって運ぼうとか…

靴を履く→左右どちらから履こうとか、指は曲げて足首は曲げてとか…

 

全部、無意識で行ってますよね。

これらを意識して行っているならば、生活が、動きが一杯一杯なんだと思います。

 

そこで重要なのが、

ボディイメージボディースキマです。

 

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ボディイメージ

まず、ボディイメージは自分の身体について、

学習(経験)し、蓄積したものであり、

自分の身体の外観に対する認識です。

要するに意識的に知覚したものです。

 

だから、ボディイメージを高めるには、

様々な経験をすることが大切です。

経験がないことには高まりません。

 

例えば、サッカーのジグザグドリブルをするとします

初めて行う場合は、難しいものです

だけど、何回も繰り返すことで、イメージがどんどん高まっていきます

こうしたら、ボールがコントロールできるんだ…

右に体重かければ、左で蹴れるんだ…

とにかく、意識して行うことで上手になっていきます

 

ここで大事なことは、意識下で何回も繰り返していくと、

無意識でできるようになります。

無意識で身体が動くようになります。

 

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ボディスキマ

 意識して動かす部分はボディイメージでありますが、

身体動作は難しいもので、意識するところなんて、ほんの一握りです。

 

あとはボディスキマで動作を行っています。

微調整をしながら、上手になっていきます。

 

ボディスキマは、

身体がなんとなく感じ取った身体の位置、運動および能力です

なんとなく感じられる感覚(無意識)です

 

このなんとなく感じられる感覚が多いほど、

パフォーマンスは上ります

 

イメージなしには、スキマは上りません

 

イメージを高めるためには、意識的に様々な経験をし、

スキマ(無意識)も同時に高めていきましょう。

 

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みなさん、臨床場面において、患者さんにイメージをさせていますか?

身体は動かさずに、

脚の股関節の位置はわかりますか?

指先の位置分かりますか?

肩甲骨の形や位置は分かりますか?

骨盤はどうやって傾いているか分かりますか?…

こんな質問したことありますか?

 

うーん、股関節はこの辺りかな?

指先はあの辺りかな?

肩甲骨は上が平行で、下がとがっているかな?…

このようにイメージさせることが、大切なのではないかと思います。

 

これも無知なのに、ボディイメージは高まらないと思います

 

その上で、自分の身体を動かし、触らせることで、

自分の位置感、身体の動きを認識するのです

 

例えば右手で、左の足先を触ってとか

右ひじで右の腿を触ってとか

股関節を触りながら、スクワットしてとか

膝裏を触りながら、ハムストリングスの収縮を感じてとか

 

まずはイメージとスキマを高めましょう!!

 

動作に関しては、無意識でできるレベルまで改善させないと、

本当の意味での安心した生活ができるレベルにはなりません。

 

住み慣れた家での正しい動作の繰り返しが大事です!!

 

そんなボディイメージ、ボディスキマのことが

書いてある著書です。

私自身、考え方が一気に変わりました。

理学療法士として枠組みが狭すぎたと痛感しました。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

子供の運動能力向上にはペリパーソナルスペース拡大が重要!

皆様、ペリパーソナルスペースという言葉を聞いたことがありますか?

我々、理学療法士にとって、ペリパーソナルスペースが大変重要になってきます。

ご存じない方は、お付き合い下さい。

下のスライドをご覧下さい。

 

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ペリパーソナルスペース

 peripersonal space

ペリパーソナルスペース

(上図の青のスペース)は、

身体を取り巻く、腕が届く範囲のこの目に見えない空間体積であります。

また、バットや車、帽子などを身に着けた時は、

それが身体の一部となるため、その先までがペリパーソナルスペースとなります。

 

日常で歩いている時、無意識に足の下の石をまたいだり、よけたりしています。

脳は常に空間をモニターしながら高速に処理して運動をしているのです。

この身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間を

ペリパーソナルスペースと呼びます。

 

f:id:kenkouPT:20210223014409p:plain

 
サッカー選手は、このペリパーソナルスペースが大きいと言われており、

野球選手はバットの先端

テニス選手はラケットの先端

にまでペリパーソナルを延長できると言われています。

パフォーマンスが高い選手ほど、身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間である

ペリパーソナルスペースは拡大していると言われています。

 

運動能力が低い子供の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

ペリパーソナルスペースが狭小化していると言えます。

 こういう子の特徴として、

遊びの中で、

すぐに、いち抜けぴっと、に抜けぴっと…

遊びでも、逃げてしまう子が多いです

 

一度始めた運動でも都合が悪くなると、

自分から抜けていくという行動が多いように感じます。

 

こういう子に対して、

理学療法士として、

どうしていかなければいけないかというと、

このペリパーソナルスペースを拡大させるように介入していかなければなりません。

 

ペリパーソナルスペース拡大なしに運動能力は向上しません。

 

当クリニックにくる運動器疾患や転倒しやすい子供の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

やはり、狭すぎる場合が多いです。

 

まずは、私の場合、

その子供に対しての

初期評価をまずは徹底的に行い、

その結果を踏まえて、

積極的にペリパーソナルスペースを拡大させるように介入します。

 

これはベッドで寝て脚の運動をしていても変わりません。

スクワットしていても変わりません。

逃げていてもかわりません。

安全なことばかり、やっていても変わりません。

 

ボール投げだったり、

サッカーだったり、

ボール打ち(野球)だったり、

バトミントンだったり、

2重課題、3重課題下での運動だったり…

とにかく積極的に色んなことへ介入していきます

 

とにかく、経験あるのみです。

 

なんだか、うちの子、転びやすいな…とか

なんだか、うちの子、運動音痴だな…とか

なんだか心配な場合は、

 

近くの理学療法士がいるクリニックへ相談しましょう!!

別に運動器疾患がなくても

運動器が不安定だということで、リハビリテーションはできますよ。

 

むしろ将来がある子供の運動能力を向上させるには、

早め早めがいいです。

 

私の臨床経験上、

1ヶ月もすれば、一気に運動能力は向上してきますよ。

自身がつけば、子供は変わる。

 

これ大変重要です。

やるかやらんかです。

 

ペリパーソナルスペースが拡大したら、

次はエクストラパーソナルスペースへ

 

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そんなペリパーソナルスペース、エクストラパーソナルスペースのことが

書いてある著書です。

私自身、考え方が一気に変わりました。

理学療法士として枠組みが狭すぎたと痛感しました。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

転倒予防にはペリパーソナルスペースを拡大させるべき

皆様、ペリパーソナルスペースという言葉を聞いたことがありますか?

我々、理学療法士にとって、ペリパーソナルスペースが大変重要になってきます。

ご存じない方は、お付き合い下さい。

下のスライドをご覧下さい。

 

f:id:kenkouPT:20210221003232p:plain

ペリパーソナルスペース

 peripersonal space

ペリパーソナルスペース

(上図の青のスペース)は、

身体を取り巻く、腕が届く範囲のこの目に見えない空間体積であります。

また、バットや車、帽子などを身に着けた時は、

それが身体の一部となるため、その先までがペリパーソナルスペースとなります。

 

日常で歩いている時、無意識に足の下の石をまたいだり、よけたりしています。

脳は常に空間をモニターしながら高速に処理して運動をしているのです。

この身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間を

ペリパーソナルスペースと呼びます。

 

f:id:kenkouPT:20210223014409p:plain

 
サッカー選手は、このペリパーソナルスペースが大きいと言われており、

野球選手はバットの先端

テニス選手はラケットの先端

にまでペリパーソナルを延長できると言われています。

パフォーマンスが高い選手ほど、身体周囲で脳が認識可能な手の届く範囲の空間である

ペリパーソナルスペースは拡大していると言われています。

 

ここで、高齢者をみてみましょう。

我々が相手する方は、転倒して骨折した後の方や、

ふらふらしていて転倒しそうな方、痛みにより歩きにくい方が多いです。

ロコモ・フレイルの方でも言えます。

 

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上のスライドのように、

転倒した方、しそうな方、骨折した方、

ロコモ・フレイルの方の

ペリパーソナルスペースをみてみると、

ペリパーソナルスペースが狭小化していると言えます。

 

ですから、理学療法士として、

どうしていかなければいけないかというと、

このペリパーソナルスペースを拡大させるように介入していかなければなりません。

 

ペリパーソナルスペース拡大なしに転倒は防げませんし、

ロコモ・フレイルの改善にはなりません。

 

私の場合、初期評価をまずは徹底的に行い、

その結果を踏まえて、

積極的にペリパーソナルスペースを拡大させるように介入します。

 

これはベッドで寝て脚の運動をしていても変わりません。

スクワットしていても変わりません。

安全なことばかり、やっていても変わりません。

 

ボール投げだったり、

サッカーだったり、

ボール打ち(野球)だったり、

ゴルフだったり、

2重課題、3重課題下での運動だったり…

とにかく積極的に介入していきます

 

一番いいことは、その患者さんが若い時にやったことのあることから、

行っていきます。

まずは、できていたあの頃を思い出して、動作として復活させていきます

 

ボール投げ・ボールとりなんかは、誰しもがやったことがあるはずです。

実際に臨床で行っていますが、

20~40年ぶりにやったとか言う方ばかりです

 

そんなにもやっていない期間が長ければ、

やはりペリパーソナルスペースは狭小化してしまいますよね。

 

そんな狭小化した状態で、日常生活を行っていたわけです。

自分が精いっぱい、立つのが精いっぱい…

こんな精いっぱいの状態では、やはり転びやすくなります

自信がなくて、怖くて怖くてたまらなくなりますね…

 

ボール投げ・ボールとりも行っていくと、すぐに上手になります。

ただ、大事なことはボール投げ・ボールとりを上手くしたいわけではありません。

上手くなった結果的に、ペリパーソナルスペースが拡大し、

歩行が一気に向上していくことが多々あります。

 

次に、

ボール投げ・ボールとりが上手くなり、ペリパーソナルスペースが拡大し、

歩行が向上したなと思ったら、

棒やラケットを持ってもらい、

棒やラケットでボールを当ててもらいます

 

考えてみてください。

棒やラケットには感覚がありませんよね。

けども持ったことで自分の身体の一部になるのです。

なんとなく感じられるようになってくるのです。

この棒やラケットに当てられるようになったら、

これまた、さらにペリパーソナルスペースが拡大していきます。

この頃には、下を向くことなく、

堂々たる歩き方になっていきます。

しかも無意識的にです。

 

皆様も何気なく、ボール投げとかやっていると思いますが、

このペリパーソナルスペースを拡大しようという頭でやっている方は、

少ないのではないのでしょうか?

 

最後に注意ですが、

転倒しない運動機能にするには、

ペリパーソナルスペースを拡大させることは必須です。

ただ、拡大させるためのアプローチは転倒リスクが伴います。

適切な評価と、介入時のハンドリング、転倒リスクを考えてアプローチしましょう!

 

そんなペリパーソナルスペースのことが書いてある著書です。

理学療法士の考え方にとって、大変参考になるので、是非一読下さい。

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