生涯を楽しむための動き方

理学療法士による臨床・生活・予防・介護・子育てに役立つ身体の動きに関する情報がここにある

PTAじゃないよ!PCAだよ!!

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画像はPTAです。

今回の記事では全く関係ありません(笑)

 

今回はPCAについて書いていきます。

PCAと聞いて、答えられる方いますか?

意外の意外に、答えられない方が多いのではないでしょうか?

 

まずは前回書いた記事を見てから、今回の記事を読んで下さい。

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

 

ここの最後で、

 

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臨床上思うことは、

術後の疼痛は個人差が大きいため、

鎮痛薬の必要量には個人差がある!!ということです。

 

では、どっやってその個人差を埋めているでしょうか?

 

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そこで出てきたのが、

PCAです!!

自己調整鎮痛法です。

痛みは患者自身しかわからないため、

患者が必要時に操作し、投与できるようになっています。

 

始めは看護師・医師が設定しますが、

あとは自己で調整していきます

 

人の痛みはわかるはずがないから、

素晴らしい方法ですね。

 

だけども、大量投与になるのは危険です

そうならないように看護師さんが管理していただけているのですね。

 

理学療法士はこういう風に疼痛を管理していることを知って、

臨床へのぞみましょう!

 

さて、

痛みはなくなった!!

動き出そう!離床しよう!!

 

おっと、待った!!

痛みはないけど、気持ち悪い場合(嘔吐)が多いではないか!!

 

この嘔吐ってなんで起こるのよ??

 

この嘔吐は何で起こるかを次回書いていきますね。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

大腿骨頸部骨折術後の疼痛管理


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手術後の疼痛について簡単に書いていこうと思います。

 

 

大腿骨頸部骨折術後、腰部脊柱管狭窄症術後、変形性膝関節症術後…

 

今回は整形疾患の術後について書いていきます。

 

手術後には疼痛があります。

 

どんな疼痛なのでしょうか?

 

こちらをご覧下さい。

 

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術後の疼痛①

手術日を0病日とします

 

0病日~5病日までには、

安静時痛:組織損傷、炎症によるものの痛みが続きます

また、

体動時痛:勝負が動くことによる痛みが続きます

いずれも組織の修復のための痛みと考えていただければ良いでしょう

 

そして、

5病日~数日は、

体動時痛が安静時痛消失後も数日間続きます

 

この疼痛が強く、長く続くと離床遅延し、活動量も減少するため、

筋力も、持久力も低下し、QOLも低下してしまいます。

 

 

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疼痛②

 

疼痛が続くことで、

呼吸状態は悪化し、低酸素血症になり、

そうなると創の治癒遅延するマイナスのスパイラルに入ってしまいます

 

また、交感神経活動で下垂体-副腎系の内分泌反応は亢進し、

心拍数増加、血圧上昇し、心臓の負担が大きくなります。

 

さらには、深部静脈血栓症肺塞栓症の原因にもなりかねません。

 

以上の様にいいことはありません。

なんとかせねば!!

 

そこで疼痛を薬でコントロールします。

 

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疼痛③

 

 方法には、2つあります。

1つ目は硬膜外空鎮痛法:硬膜外空にカテーテル挿入、留置し、局所麻酔薬や

オピオイドウィ持続投与する方法です

安静時痛強く、体動時はさらに増強する場合に用いるみたいです

 

 

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疼痛④


 2つ目は静脈投与法(IV):静脈ルートを使用し、オピオイドを持続投与します

最近はこちらを用いていることが多いです

 

オピオイドの機序はこちら⇩

https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keyopioid.html

 

このような方法で術後の疼痛を管理しています

理学療法士にとって、

疼痛は非常に大切なことですので、

今、患者さんが何の痛みの状態なのかを考え介入しましょう

 

その痛みをどのような治療で改善させている状態なのかもしっかり確認しましょう

 

だけど、臨床で思うことは、 

 

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同じ骨折、同じ手術をしたとしても

疼痛の個人差は大きいということです

 

だから鎮痛薬の必要量には個人差があるなぁと思います

 

次回は鎮痛薬の必要量の管理について書いていこうと思います。

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

腰部脊柱管狭窄症の鑑別および理学療法

前々回までは

脊柱管狭窄症の治療と検査について書きました。

触り程度で、わかりやすいように書いたので、

物足りなさもあるかもしれませんが、

臨床ではこの程度知っていれば良いと思います。

 

では、本日は、

腰部脊柱管狭窄症の鑑別

および理学療法についてのエビデンスについて

書いていこうと思います。

 

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脊柱管狭窄症はどんな症状があるのが特徴でしょうか?

鑑別するのはどうすれば良いでしょうか?

 

そうです。

 

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脊柱管狭窄症①

座っていれば痛みを感じません。

腰をかがめると痛みは改善します。

そして、歩行時に開始痛が増強します。

これが主です。

歩行時に下肢痛が増強しなければ、腰部脊柱管狭窄症の可能性は低いと思います。

 

歩行時の下肢痛が増強する症状があり、

腰部脊柱管狭窄症と診断されたら、

リハビリテーションの処方がでるかもしれません。

 

ところで、理学療法は有効なのでしょうか?

有効だとしたら、どういう風にすると有効なのでしょうか?

 

こちらのスライドをご覧ください。 

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脊柱管狭窄症②


 腰部脊柱管狭窄症診療ガイドラインによると、

GradeC:

腰部・臀部痛や下肢痛については、理学療法運動療法の組み合わせは有効である。

コルセットを用いることで、歩行距離の延長と疼痛軽減を得ることが可能である。

としています。

 

しかしながら、

GradeⅠ:

理学療法単独や

マニピュレーション、牽引、低周波はまだエビデンスは不十分であります。

 

だけど、これは外来において、よく行っていることですよね。

ただ臨床経験上は、改善効果がある方はいます。

おそらく、疼痛部位の特定ができているかがポイントかと思います。

特定できていて、物理療法機器を最大限に活かすことができる療法士がいれば、

改善効果は期待できます。

 

物理療法機器を使えきれない療法士が多すぎると思います。

何も知らないのに効果がないという前に、

使いこなせるようになってから、言いましょう。

 

まずは自分でやってみましょう。

結構鎮痛効果があると感じますよ。

 

さて話を戻します。

 

理学療法効果の報告はどんなことがされているのでしょうか。

 

少し見てみましょう。

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脊柱管狭窄症③


 理学療法の効果は持続しない

自己での改善は難しい

免荷で動き、超音波かけると

疼痛緩和できそう

 

まとめると、

脊柱管狭窄症自体は改善できない

生活背景を探り、姿勢、動作、筋力、バランスの視点から予防する必要があります

 

脊柱管狭窄症には姿勢・動作の改善は必須ですよ

 

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一度、脊柱管狭窄症のガイドラインを一読しましょう。


 

コルセットをして、再発予防が大事です。 悩んでいる方は一度、はめてみて下さい。

子供の記憶力・学習効果を高めるには!!

ちょっと一休み。

 

ここで記憶力・学習効果を高めるには…という話しをします。

 

こちらのスライドをご覧ください。

 

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エビングハウス忘却曲線

 

これは、有名な研究結果です。

エビングハウス忘却曲線といいます。

すごく興味深くて、おもしろいグラフだと思いますので、

皆様もご参考にしていただければと思います。

 

縦軸を覚えている%パーセンテージで、

横軸を学習後の日数としています。

 

学習してから20分後には、42%忘れており、

1時間後には56%忘れています。

 

これすごくないですか?

 

1時間で半分は忘れているのです。

自分のことを振り返ってみると、確かに、忘れているな…

半分も身になっていないな…

 

1日後には74%忘れており、

そこからは、ほぼ一定のことだけの記憶になります。

 

なるほどー!!

 

ってことは、長期記憶にするにはどうしたらいいのだ?

 

1日後から1週間までに再学習する。

そして1か月後に再び同じことを学習する。

これで長期記憶の完了です!!

 

これは勉強だけではないですよ。

運動も一緒です。

 

”やるかやらんか”

それだけです。

 


 

英語もなるべく早く繰り返し行い、 耳を慣らしておくと良いと思います。 いわゆる聞き流しです。 日本語は勉強しなくても普段聞き流しているので、 自然と覚えますが、英語は普段入らない限りは覚えられません。 だから、CDで聞き流しておくこと。そうすると後々、早く頭に入っていきますよ。

若年者の腰痛:腰部脊柱管狭窄症が増えている!!③

今回の記事をみる前に、こちらの①②をご覧ください。

 

kenkoupt.hatenadiary.jp

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①ではプリンクという治療法について

②ではミエログラフィ―という検査について

 

そして、今回は、ミエログラフィーで特定できた狭窄部位への

神経ブロック注射について書いていきます。

 

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整形外科で働いていると、

よく神経ブロック注射という言葉を聞くかと思います。

 

これが適当に打っても効果は少ないのですが、

ちゃんと特定できていれば、一定の効果はみられている現状です。

 

私のクリニックでは疼痛が激減することもあります。

 

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神経ブロックについて


スライドのように、2種類のブロック注射があります。

①硬膜外ブロック

馬尾や神経根を包む硬膜の周りの空間に、局所麻酔剤やステロイドを注入して知覚神経を麻酔するブロック注射です。

 

②神経根ブロック

X線透視化に神経根に局所麻酔剤やステロイド剤を注入するもので、神経根の圧迫で下肢痛が生じる神経根型の狭窄症に効果があるブロック注射です。

 

ほとんどの場合は、②の神経根ブロックを実施しています。

効果は長く続く方もいれば、短期間の方もいる、全く効果がない方もいます。

 

長く続く腰部痛や神経痛が不快で、どうしようもない場合は、

お近くの病院、クリニックへ受診し、

まずはプリンクをやってみて、

効果ないようならば、

ミエログラフィーで狭窄部位を特定し、

神経ブロック注射の順で進めてみるべきかなと思います。

これでも改善しないのならば、

手術も考慮という話になってきていることが多いと感じています。

 

ただ、一番大事なのは、普段の生活習慣ですよ。

どんなにいい治療をしたとしても、

生活に変わりがなければ、結局再発してしまいます。

 

例えば、腰が痛いから治療をしているのに、

普段の座り方、起き方、骨盤の使い方などが悪ければ、

再発しやすくなります。

 

だからクリニックを受診するとしたら、

リハビリテーションはセットですよ。

 

早めに理学療法士にかかりましょう!!

 

臨床経験からの話しになりますので、

ご参考になればと思います。

ただ、鵜呑みにしすぎないで下さいね。

こちらのコルセットはおすすめですよ。 発症・再発を予防しましょう。


 

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